習主席訪米 国際社会に“大国”存在感示す
国賓としてアメリカを訪れていた中国の習近平国家主席は、オバマ大統領との首脳会談や、国連総会での演説など一連の訪米日程を終えた。今回の訪米は、中国が大国として国際社会で存在感を示すものとなった。
今回初めて訪れた国連本部で発展途上国重視の姿勢をアピールした習近平主席。
習主席「中国は終始、国際秩序を維持し、平和発展の道を堅持する。国連での中国の一票は、永遠に発展途上国側の一票だ」
一方、オバマ大統領との首脳会談ではサイバー攻撃の問題について対話の仕組み作りなどで一部、合意したものの、南シナ海の埋め立て問題や中国国内の人権問題で、溝は埋まらなかった。習主席はアメリカ相手に譲歩せず、大国として中国の風格を見せつける外交を展開した。
経済的には、シアトルでボーイング社と旅客機300機を購入する契約を結ぶなど、中国の経済力をアピール。国連では2400億円もの資金を出して、発展途上国支援のための基金を設立するなど、次々と巨額の資金による途上国支援策を発表した。
年末に設立が予定される中国主導のAIIB(=アジアインフラ投資銀行)も念頭に、国際社会での影響力を強めたい狙いも透けてみえる。
今回の訪米をきっかけにアメリカなどの先進国とは一線を画し、中国が主導で発展途上国重視の国際秩序構築を本格的に進めていくものとみられる。