労働党創立70年で軍事パレード 現地リポ
北朝鮮は10日、労働党の創立70年という節目を迎え、大規模な軍事パレードを行った。演説した金正恩第1書記はアメリカを強くけん制したが、核やミサイル開発には言及しなかった。現地から原田敦史記者が報告する。
軍事パレードは10日午後、首都・平壌で行われ、金第1書記が演説した。
金第1書記「わが軍と人民の不屈の気性と団結力は、敵を極度の不安と恐怖に追い込んでいる。アメリカが望むいかなる形の戦争も全て相手にできる。祖国の青い空と人民の安全を死守する全ての準備ができている」
金第1書記はアメリカを強くけん制したが、核開発や事実上の弾道ミサイルには触れなかった。中国の最高指導部メンバーである劉雲山政治局常務委員が出席していることに配慮した可能性もある。2人が談笑したり、手を取り合う場面も度々あり、冷え込んでいる関係の修復をアピールした。
パレードでは弾道ミサイルの改良型や新型の多連装ロケットが披露されたが、市民の行進も長く続いた。金第1書記も演説で繰り返し、「人民のために」と述べ、これまでより市民に比重を置いた印象だった。
パレード参加者「金正恩第1書記の声を聞いて、偉大な方がいるという誇りで感激のあまり、涙が出ました」
夜には金第1書記が見守る中、若者たちがたいまつを両手に持って行進した。雷雨に見舞われ、ずぶぬれになりながらも党の創立70年を祝う文字などを人文字で描いていた。
大規模なパレードで国民の団結を図った北朝鮮。祝賀行事は11日以降も続くことになっている。