セウォル号船長の無期懲役確定 殺人罪認定
韓国で去年4月に旅客船「セウォル号」が沈没した事故をめぐり、船長や乗組員の責任が問われた裁判で、韓国の最高裁判所は船長に対して殺人罪を適用した2審の判決を支持した。船長の無期懲役が確定する。
セウォル号の沈没をめぐっては、15人が起訴され、船長のイ・ジュンソク被告に「殺人罪」が適用されるかが焦点となっていた。判決公判で裁判長は乗客より先に脱出した船長の行為を厳しく非難した。
裁判長「乗客の安全に対して無関心な態度を貫き、乗客が脱出できる可能性がなくなっていく状況をただ傍観していたことが分かる」
裁判長は、「イ被告の行為は、乗客を積極的に水に落として溺死させるのと同じだ」と指摘。「乗客を放っておけば死ぬ危険性を認識していた」として殺人罪を認定した2審の判決を支持し、上告を棄却した。これで、イ船長の無期懲役が確定する。韓国の最高裁が救助を行わなかったという「不作為」で殺人罪を認めるのは初めて。
判決公判にはイ被告らは出廷しなかったが、約20人の遺族が傍聴し、イ被告に殺人罪が認定されたことについて、「1年7か月の苦しい時間をなぐさめる判決だ」と話した。