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「前例のないテロ」仏大統領が非常事態宣言

2015年11月14日 15:51
「前例のないテロ」仏大統領が非常事態宣言

 日本時間14日朝、フランス・パリの中心部で銃撃や自爆テロが相次いだ。捜査当局は、事件が起きたのは6か所で、死者の数は合わせて120人を超えると明らかにしている。同時多発テロとみられており、オランド大統領は「前例のないテロ事件だ」として非常事態宣言を発令した。

 事件は日本時間14日午前6時ごろ、パリ中心地で起きた。「バタクラン」という劇場でアメリカのロックバンドのコンサートの最中に、何者かが襲撃し、観客を人質にとって立てこもった。

 地元メディアによると、当時、劇場には1500人の観客がいたが、約100人が死亡したという。劇場から救出された男性は「自動小銃を持った若い男が2人いて、『床に伏せるように』と言った。彼らは銃撃を続けた」と話している。その後、治安部隊が突入し、容疑者3人が射殺された。

 さらに、パリ郊外のサッカースタジアム付近で、自爆テロを含むとみられる複数の爆発が発生した。死傷者の数は明らかになっていない。

 事件当時は、フランス対ドイツのサッカーの親善試合が行われていて、オランド大統領も観戦していた。地元メディアは警察の情報として、4人の犯人が死亡、そのうち3人はベルトにつけた爆発物を起爆させたと伝えている。

 そのほかにも、市内のレストランなどで、銃の乱射があった。検察当局によると、事件が起きたのは合計6か所で、死者はこれまでのところ120人を超えるとみられている。同時多発テロとみられている。

 一連の事件に日本人が巻き込まれていないか、日本大使館が情報報収集を急いでいる。

 犯人像についてはまだ分かっていないが、劇場を襲撃した犯人が「神は偉大なり」と叫んだとの情報もある。AFP通信によると、一連の事件にからむ8人の犯人が殺害されたという。

 事件後、オランド大統領はテレビで会見し、「パリで今、前例のないテロ事件が起きている」と述べ、フランス全土に非常事態宣言を発令、市民に外出を控えるよう呼びかけた。オランド大統領は、一連の事件への対応のため、15日からトルコで始まるG20首脳会議への出席を取りやめたという。