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ASEAN議長声明“南シナ海”表現弱まる

2015年11月24日 3:25

 21日に開かれたASEAN(=東南アジア諸国連合)の首脳会議の議長声明が発表された。中国が埋め立てを進め、緊張が高まっている南シナ海の問題については前回の首脳会議に比べて表現を弱め、中国への配慮をにじませた形となった。

 会議は21日に開かれたが、議長声明の発表は23日にずれ込んだ。焦点だった南シナ海問題については、中国を名指しはせずに「軍事施設の存在と、前線の軍事化が進むことに一部の国から示された懸念を共有する」としている。4月の首脳会議の議長声明では「深刻な懸念」としていたが、今回は「深刻な」という表現は使われなかった。

 また、南シナ海の領有権をめぐって国際的な仲裁裁判所の審理が始まることについて草案では「歓迎する」という内容が盛り込まれていたが、最終的には削除された。中国の反発を懸念した加盟国からの意見を反映したものとみられ、中国への配慮が色濃く出た格好。