温暖化対策会議COP21 パリで開幕
地球温暖化対策について話し合う国連の会議、COP21がフランス・パリ郊外で始まった。会場から小島康裕記者のリポート。
同時多発テロから2週間余りでの開催となり、会場は厳戒態勢となっている。私がこちらに到着した際も「上着を開いて中を見せろ」と厳しく言われて自爆テロを念頭に爆発物を身につけていないか、確認された。
厳戒態勢はここから車で30分ほどの距離にあるパリの市街地にも及んでいる。警察からはきょうは市民に車を使わないように、さらに必要なとき意外は公共交通機関も使わないようにと通達が出ているほか、環境省からはできれば出勤せずに、自宅で勤務するようにとの呼びかけが行われている。
今回の会議では温暖化に歯止めをかけるための温室効果ガスの削減策について先進国も途上国も全ての国が参加しての合意を目指す。とはいえ温暖化に対する危機感は国によって様々で、対策にかけられる資金力や技術力にも差がある。
その中で、先進国としては途上国にも一定の負担を求めたい考えだが、途上国は、地球温暖化の責任は先進国にあるとの立場で、将来的な義務や取り組みに差をつけることや資金援助を求めている。
この先進国と途上国という対立軸に加え、これまで途上国としてとらえてきた中国やインドなど新興国が、今では温室効果ガスの主要な排出国となっていて、さらに議論を複雑にしている。
環境省幹部は、「各国が妥協を持ち寄らないといけない」と話していて、ぎりぎりの交渉が展開されそうだ。