COP21合意文書草案採択も…溝埋まらず
フランス・パリ郊外で行われている地球温暖化対策を話し合う国連の会議、COP21は5日、事務レベルの協議を終え合意文書の草案を採択した。しかし、各国の溝は埋まっていない。
COP21は先月30日から始まり、2020年以降の温室効果ガス削減策についてまずは事務レベルで協議を行ってきた。週明けから始まる閣僚級会合での課題を絞り込むための協議で、5日、最終的な合意を目指す文書の草案を採択した。草案は48ページに及ぶもので、意見が対立している条文については選択肢を残したままとし、閣僚級会合に交渉をゆだねる形となった。
日本政府代表は「問題を譲り合って解決する、という雰囲気にはならなかった」と話した。
外務省国際協力局・水越英明参事官「閣僚レベルで議論する問題を絞り込みたかったが、各交渉グループ間の議論がかみ合わない部分も多かった」
COP21では、温室効果ガスの削減策をめぐり、先進国と途上国とでどのように差をつけるかが焦点となっている。先進国は、途上国にも一定の負担を負わせたいのに対し、資金力でも技術力でも劣る途上国は、先進国の支援を求めている。会議を傍聴してきた日本のNGOは対立する先進国と途上国がどれだけ歩み寄れるかが合意の要になると指摘している。
WWFジャパン・小西雅子さん「途上国が先進国から資金や技術を得る確信を持ち、初めて削減行動に合意する。信頼作りが一番重要だと思います」
今回のCOPでは参加者は一様に「合意を目指す機運は高まっている」と話す。その機運を言葉の上だけで終わらせないために、残る1週間は、各国が具体的な妥協案を持ち寄る必要がある。