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最高幹部の姿なく…式典で日本への配慮も

2015年12月13日 18:47
最高幹部の姿なく…式典で日本への配慮も

 78年前の12月13日は、旧日本軍が多くの中国人を殺害したとされる「南京事件」が起きた日。中国・南京では、政府主催の追悼式典が開かれたが、最高幹部の姿はなく、日本への配慮もみられた。現地から高井望記者が報告する。

 13日の式典は、中国にとって、抗日戦争に勝利してから70年となる今年の、一連の記念行事の最後に位置付けられていた。去年は習近平国家主席が出席するなど、国家として盛り上げようとする姿勢がみられたが、今年は最高幹部の姿はなかった。

 全人代常務委員会・李建国副委員長はスピーチで、旧日本軍の行為を強く非難した一方で、日中関係については、さらに改善を進めていく姿勢を表明した。また、今年、国連教育科学文化機関(=ユネスコ)に、中国側が申請した「南京大虐殺に関する文書」が世界記憶遺産として登録されたことについても、わずかに触れただけにとどまり、その記念碑の発表も見送られた。

 去年に比べて、式典は抑制気味にされた印象だった。南シナ海をめぐる、アメリカとの対立や国内での景気減速を背景に、関係改善を進める日本への配慮があったとみられる。