ASEAN経済共同体が発足
ASEAN(=東南アジア諸国連合)の10か国は31日、関税撤廃などを通じて相互の経済発展を目指すAEC(=ASEAN経済共同体)を発足させた。
AECには、ASEANに加盟する10か国が参加、すでに一部の国で実施している関税の撤廃や査証の緩和などで自由な経済活動を後押しする。
ヒトやモノの行き来をスムーズにすることで、外国からの企業進出を誘致する狙いもあり、日本の企業にとっても人件費が高騰する中国に代わる海外拠点となることが期待されている。
経済産業省によると、ASEANの総人口は約6億人、域内の総貿易額は2.1兆ドルに上る。将来的には市場の統一も視野に入れており、世界経済の中で存在感を示したいところだが、EU(=ヨーロッパ連合)の「ユーロ」のような共通通貨はない。
また、すでに経済発展しているシンガポールが加盟する一方で、民主化に伴う市場開放が始まったばかりのミャンマーなど、加盟国間の経済格差は依然として大きく、実質的には緩やかな経済連携にとどまるとの見方もある。