トランプ氏今後は?共和党レース異例展開も
アメリカ大統領選の候補者選びは、大票田のフロリダ州など5州で予備選挙が行われた。共和党は不動産王トランプ氏がフロリダ州など4つの州で、民主党はクリントン前国務長官が5つの州すべてで勝利した。指名獲得にむけた戦いは今後、どうなるのか。ワシントンから近野宏明記者がリポート。
トランプ氏が勝てなかったのは、たった1つの州。ただ、この敗北でトランプ氏の勢いにブレーキがかかった。5州の中で特に注目されたのはフロリダ州とオハイオ州。いずれも勝者が指名獲得に必要な「代議員」を総取りにできるので、トランプ氏が勝てば、一気に指名獲得を確実にすると言われてきた。しかし、結果は1勝1敗。この1敗が、もしかするとトランプ氏の運命の分かれ道になるかもしれない。
勝利宣言するトランプ氏「この国のために勝利する。勝って勝って勝ちまくる。この国のために勝つんだ」
トランプ氏はフロリダ州では共和党主流派が推すルビオ上院議員を事前の予測通りの大差で破り、選挙戦からの撤退に追い込んだ。ただ、もう1つの大票田、オハイオ州では党主流派が推すケーシック知事が勝利を確実にした。トランプ氏がここを落としたのは大きなダメージだ。
■トランプ氏の指名獲得は、これまでよりも遠のいたということか?
どの候補者よりも一番近いところにいるのは変わりないが、不透明な部分も出てきた。今後の共和党の予備選挙はトランプ氏、ケーシック氏、クルーズ氏の3人で1000人余りの代議員を奪い合う。クルーズ氏らの逆転は極めて難しい一方で、このまま3人で票が割れ続けるとトランプ氏ですら過半数の代議員を獲得できない可能性もあり、夏の党大会で投票による決着に持ちこまれる可能性も浮上している。