米最高裁判事の指名で与野党の対立深まる
アメリカで、空席となっている連邦最高裁の判事に誰を指名するかを巡り、与野党の対立が深まっている。
アメリカの連邦最高裁は9人の判事で構成されるが、先月、保守派の判事が急死したことでリベラル派、保守派の勢力が4人ずつとなり拮抗している。
オバマ大統領は16日、この空席に、首都ワシントンの連邦控訴裁判所のガーランド首席判事を指名した。ガーランド氏は「中間派」とされている。最高裁判事の就任には野党共和党が多数を占める議会上院の承認が必要だが、共和党は、秋の大統領選で政権を奪還して新大統領が「保守派」の判事を指名することを目論んでおり、任期切れの迫ったオバマ大統領による人事は承認しない方針。
しかしガーランド氏が控訴裁判所の判事になった際には、複数の共和党幹部も賛成していたため、オバマ大統領は「上院は憲法上の義務を果たすべきだ」と、早期の承認を迫っている。
この問題は大統領選へ向けた候補者選びでも争点になっていることから、司法の場に与える影響は長期化も予想される。