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日米が中国けん制 アジア安全保障会議

2016年6月4日 17:42
日米が中国けん制 アジア安全保障会議

 アジア・太平洋地域の国防相らが集まり、シンガポールで開かれている「アジア安全保障会議」で4日、アメリカのカーター国防長官は南シナ海で埋め立てを続ける中国を強く批判した。中国側は反発している。

 アメリカのカーター国防長官は演説で、南シナ海で実効支配を強める中国の行動は、「自らの孤立を招く万里の長城を築きかねない」と批判した。

 カーター長官「中国は南シナ海で、前例のない行動を拡大しており、その戦略的意図について懸念している」

 一方、中国軍の孫建国副参謀長は孤立化を招くとの指摘に反論した。

 中国孫建国副参謀長「中国は孤立していない。彼の言い方は事実と異なる」

 また中谷防衛相も演説で、中国を念頭に南シナ海などでの一方的な振る舞いは緊張を高めると懸念を示した。

 中谷防衛相「一方的な現状変更と既成事実化は国際社会の原則に基づく海洋秩序を著しく逸脱するもので強く懸念します」

 南シナ海をめぐっては、中国やベトナム、フィリピンなどが領有権を争っているが、中谷防衛相は、不測の事態を回避するため、「大国は自制的に振る舞うべきだ」と述べ、中国に自制を促した。

 中国は南シナ海の問題は領有権を争う当事者間で解決するべきだと主張していて、5日に予定されている演説でどのような立場を示すか注目される。