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治安悪化の南スーダン 停戦命令も戦闘続く

2016年7月12日 16:38
治安悪化の南スーダン 停戦命令も戦闘続く

 日本の自衛隊がPKO(=国連平和維持活動)を行うアフリカの南スーダンで、戦闘を続ける大統領派と副大統領派の双方は11日、兵士に停戦命令を出した。しかし事態が沈静化するかは不透明。

 南スーダンの首都ジュバでは、7日以降、キール大統領派とマシャール副大統領派の間で激しい銃撃戦が断続的に続いていて、ロイター通信によると、これまでに270人以上が死亡した。双方は11日、それぞれの兵士らに停戦するよう命じたが、戦闘は続いているものとみられ、事態が沈静化するかは予断を許さない状況。

 現在南スーダンには、自衛隊関係者約350人の他、約80人の日本人が滞在している。日本政府はJICA(=国際協力機構)の職員らを退避させる方針を決め、航空自衛隊のC130輸送機3機が11日夜、ソマリア沖の海賊対策のため自衛隊の拠点があるジブチに向け飛び立った。防衛省によると、早ければ14日にも到着するという。

 一方、国連の潘基文事務総長は11日、戦闘で国連の施設が攻撃を受け、PKOに参加している隊員が死亡した事を非難した上で、大統領派と副大統領派に「できる限りの手を尽くしてほしい」と停戦を呼びかけた。