党大会最終日 クリントン氏が指名受諾演説
アメリカ大統領選挙へ向けた民主党大会は最終日を迎えた。女性初の大統領をめざすクリントン氏が大統領候補の指名受諾演説を行っている。米・ペンシルベニア州の会場から近野宏明記者が中継。
党大会のクライマックス、指名受諾演説は日本時間29日午前11時半すぎに始まった。クリントン氏は「団結」をキーワードに、共和党のトランプ氏とは、全く異なる手法で問題を解決する姿勢を国民全体に訴える。
クリントン氏の娘、チェルシーさん「私の母、英雄である次期大統領ヒラリー・クリントンです!」
クリントン氏は演説の冒頭、巻き起こるヒラリーコールの中、聴衆に「ありがとう」という言葉を繰り返し、感極まった面持ちも見せた。そして娘のチェルシーさんや、夫のビル・クリントン元大統領への感謝の言葉を述べている。
この演説で、特に力点を置くのは、分断の危機にあるアメリカのありようそのもの。共和党のトランプ氏の考え方は人種や宗教など、社会の分断を招くとの立場から、演説では「強い力が我々を引き裂こうとしている」と述べ、「一部の力に屈するのか、団結して問題を解決するのか」と問いかける。また、アメリカの自由と多様性を尊重する姿勢を打ち出し、不法移民の入国禁止などを掲げるトランプ氏との違いを際立たせる。
さらにトランプ氏が危機をあおる安全保障問題については、自らが安定した指導力を発揮すると強調。また就任後最初に取り組む課題として、雇用の創出と賃金の引き上げも約束する。
「団結しアメリカをより強く」というこのスローガンのもと、どう国を1つに導くのか。会場の1万人以上の聴衆だけでなく全米がその言葉に耳を傾けている。