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米中首脳“南シナ海問題”など平行線に

2016年9月4日 7:10
米中首脳“南シナ海問題”など平行線に

 アメリカのオバマ大統領と中国の習近平国家主席が杭州で3日夜、G20首脳会議を前に会談した。地球温暖化対策では一定の成果をあげたものの、海洋進出問題など主張が対立する議論は平行線に終わった。

 両首脳は会談の冒頭から、焦点の海洋進出問題などで、それぞれの立場を主張した。

 習主席「互いを尊重し信頼関係を深め、建設的な方法で意見の相違をコントロールすべきだ」

 オバマ大統領「我々は人権やサイバー問題、海洋問題などの相違点について率直に話し合うだろう」

 オバマ大統領は南シナ海をめぐり、中国の主権を否定した仲裁裁判所の判決の受け入れを求め、「国際的な秩序の維持が必要不可欠だ」と述べた。

 国営新華社通信によると、習主席はこれに対し、「南シナ海の主権と海洋権益を断固として守り続ける」と改めて主張。「アメリカは建設的な役割を果たすべき」とした上で、「中国は当事者間での直接対話を通じて平和的解決を目指す」とけん制した。

 また、オバマ大統領が人権状況の改善を求めると、習主席は「いかなる国の内政干渉にも反対する」と述べたという。

 会談前、両首脳は地球温暖化対策の新たな枠組みとして、今世紀後半までに温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにすることなどを目指す「パリ協定」の批准をそろって発表し、協力姿勢をアピールした。しかし、立場の異なる問題の議論では平行線に終わった。