米中首脳 “海洋進出問題”で互いにけん制
アメリカのオバマ大統領と中国の習近平国家主席が3日夜、会談したが、海洋進出問題などを巡り冒頭から互いをけん制する展開となった。
オバマ大統領にとっては任期中最後となる中国首脳との会談だった。両首脳は会談を前に、地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」の批准をそろって発表。しかし、成果をアピールできたのはここまでだった。
会談の冒頭、習主席は、立場の異なる問題で譲ることはないとの姿勢を改めて鮮明にした。
中国・習近平国家主席「互いを尊重し、信頼関係を深め、建設的な方法で意見の相違をコントロールすべきだ」
これを聞いたオバマ大統領は、南シナ海の問題など、中国が触れられたくないテーマをわざわざ列挙して、重ねて対応を求めた。
米国・オバマ大統領「我々は、人権やサイバー問題、海洋問題などの相違点について、率直に話し合うだろう」
夕食も交えた長時間の会談だったが、具体的な前進はなかったとみられる。
「次の政権でも米中関係が深まることを期待する」と述べたオバマ大統領だが、大国意識を強める中国に手を焼く状況も引き継ぐことになる。