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天野事務局長「北朝鮮は優先度の高い課題」

2016年9月20日 0:38

 IAEA(=国際原子力機関)が19日、北朝鮮の核実験後初めてとなる定例理事会を開いた。天野事務局長は会見で、北朝鮮はIAEAにとって非常に優先度の高い課題だとの認識を示した。

 今月19日に5回目となる核実験を行った北朝鮮について、天野事務局長は、核実験だけでなく弾道ミサイル実験も頻繁になっていると警戒感を示した。その上で、北朝鮮は地域を越えた深刻な脅威であり、「IAEAにとって今後、非常に優先度の高い課題である」という認識を示した。

 北朝鮮はIAEAから脱退しており、直接的な監視活動は7年以上、行っていない。しかし、天野事務局長は、衛星写真の分析などから継続的に北朝鮮の動きを監視しながら、いつでもIAEAの査察官を現地に戻すことができるように準備を続けるとし、改めて、北朝鮮に一刻も早く査察を受け入れるように求めた。

 一方で、来年12月で任期が切れる事務局長職について、北朝鮮以外にも課題が多く、「IAEAには継続性と結束が必要」だとして、すでに正式な立候補手続きを済ませたことを明らかにした。立候補の期限は年末までだが、今のところ対抗候補は出ていない。