“シリア停戦崩壊”米露が非難応酬
停戦が事実上崩壊したシリア情勢を受けて、国連の安全保障理事会は25日に緊急会合を開いたが、アメリカとロシアによる激しい非難の応酬となった。
シリアでは、アサド政権軍が反体制派の支配地域への空爆を本格化させ、国連のデミストゥラ特使は「ここ数年で最悪の状況だ」と指摘している。25日、国連の安全保障理事会の緊急会合では反体制派を支援するアメリカとアサド政権軍の後ろ盾となるロシアがお互いを責め合った。
アメリカ・パワー国連大使「ロシアはテロ対策でなく、野蛮な行為を支援している。ロシアとアサド政権は平和でなく、新たな戦争を生んでいる」
アメリカのパワー国連大使は「ロシア軍とアサド政権軍は3日間で150回を超える空爆を行った」と批判した。
一方ロシアは、戦闘がとまらないのは反体制派が武装を続けているからだと批判した。
ロシア・チュルキン国連大使「多くの武装勢力が今も武装を続け、シリアは無差別に爆撃されている。和平は事実上不可能になった」
アメリカが反体制派に影響力を行使していないのが原因だと指摘したもので、アメリカとロシアとの間の溝は深まっている。