朴大統領「弾劾」採決 来週にずれ込みへ
韓国の朴槿恵大統領が任期満了前に辞任する意向を示したことを受け、弾劾手続きは来週にずれ込む可能性が高くなっている。ソウルから藤田賢治記者が伝える。
追い詰められた大統領がついに口にした辞意。30日朝の韓国紙は、大統領の会見中の写真ではなく、会見後に会場を後にする写真をあえて使った。多くの新聞が同様の写真を使い、「去りゆく大統領」が印象づけられる紙面になっている。
このタイミングでの「辞意」表明については、「弾劾手続きのかく乱を狙った」(ハンギョレ)とする批判の一方で、「国民の要求に最小限度で応じた」(中央日報)と久しぶりに朴大統領の言動を前向きに評価する社説もあった。
今後の焦点は、大統領を辞めさせる弾劾の行方。野党3党は午前中に会見を行い、弾劾手続きを進める姿勢をあらためて確認した。早ければ来月2日にも弾劾訴追案を国会で採決したい意向。
しかし、可決のカギを握る与党セヌリ党の造反議員のグループは、「辞意」表明を受けて局面が変わったのであらためて議論すべきで、採決は「来月9日まで待つべきだ」という立場。
与党セヌリ党造反グループ、ファン・ヨンチョル議員「8日夜まででも我々は交渉をすべきだと思う」
今後、与野党で協議し、弾劾を回避できる妥協点が見つからなければ、来月9日に採決に踏み切るべきとしている。朴大統領は「辞意」の表明で弾劾の動きに一度ブレーキをかけることに成功しそうだ。