パレスチナの国連への正式加盟求める決議案採決 アメリカの拒否権行使により否決
国連の安全保障理事会で18日、パレスチナの国連への正式加盟を求める決議案の採決が行われましたが、アメリカの拒否権行使により否決されました。
パレスチナはこれまで、国連に投票権のない「オブザーバー国家」の立場で参加していましたが、今月2日に正式加盟を申請していました。
パレスチナ自治区ガザ地区で戦闘が続く中、国連への正式加盟の承認を受けることで、パレスチナが国家としてイスラエルと共存する「2国家解決」につなげたい狙いがあります。
パレスチナが国連への正式加盟を申請したのは、2011年以来、およそ13年ぶりで、当時は、アメリカが拒否権を行使する姿勢を示したため、安保理での協議は棚上げされ、採決には至りませんでした。
18日に開かれた国連安保理の中東情勢に関する閣僚級会合で、パレスチナは、国連への正式加盟について「我々の地域に平和をもたらすための重要な柱となる」と訴え、加盟を求める決議案への賛成を呼びかけました。
これに対し、イスラエルの国連大使は「パレスチナ自治政府は平和とは正反対の存在だ」と主張した上で、「もしこの決議案が採択されれば、この理事会は、安全保障理事会ではなく“テロ理事会”として知られることになるだろう」と述べ、決議案への反対を呼びかけました。
採決では、日本を含む12か国が賛成しましたが、イスラエルの後ろ盾となっているアメリカが拒否権を行使し否決されました。
日本を訪問中のアメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は、採決に先立ち「安保理決議が必ずしも2国家解決の前進につながるとは考えていない」と述べていました。
安保理の会合には、パレスチナの国連加盟を支持するアラブ諸国の外相らも参加していて、アメリカとイスラエルへの反発を強めるものとみられます。