×

核禁止条約交渉開始も…日本は「参加困難」

2017年3月28日 6:33

 アメリカ・ニューヨークの国連では27日、核兵器を法的に禁止する「核兵器禁止条約」の制定を目指す会議が始まった。しかし、アメリカなどの核保有国は出席しておらず、被爆国日本も条約に反対した。

 核兵器を条約によって違法化することを目指す初めての会議は皮肉にも核保有国が自国の核をすぐには手放す意思がないことを明確化する形となった。

 交渉会議は核兵器が国際法違反だとして廃絶を目指すもので100カ国以上が参加している。しかし、アメリカやロシアなど核保有5カ国は今回の会議を欠席した。そのアメリカなどは会場のそばで禁止条約を批判した。

 アメリカ・ヘイリー国連大使「現実的に考えないといけません。北朝鮮が核廃絶に同意すると思いますか?」

 一方、唯一の戦争被爆国である日本は「核廃絶には核保有国と非保有国を巻き込んだ実践的な措置を積み上げていくことが重要」と条約に反対し、現状では交渉に参加することは困難だと述べた。日本政府はあす以降の交渉に参加するかどうかはまだ分からないとしている。

 アメリカの「核の傘」との狭間で核廃絶への指導力を発揮できない姿に被爆者からは失望の声が上がっている。