日韓局長級協議 韓国“徴用工”で日本にも対応求める 韓国外務省“月内の売却命令確定”報道には否定的見解
日本と韓国の外務省の高官が26日、都内で協議を行い、韓国側はいわゆる元徴用工問題をめぐる状況を説明し、日本側にも対応を求めました。また、韓国外務省の関係者は最高裁の担当裁判官の任期を理由に、月内にも日本企業の資産の売却命令が確定するとの見方に否定的な考えを示しています。
日本の船越健裕アジア大洋州局長と韓国の李相烈アジア太平洋局長は、26日午前、東京の外務省内で局長協議を行いました。
韓国側は官民による協議会で解決に向けた意見を集約している状況などを説明し、日本側にも「誠意ある呼応を示す必要がある」と対応を求めました。
これに対し、日本側は「日韓関係を健全な関係に戻すべく、韓国側に責任を持って対応するよう求めた」ということです。
双方は外交当局間の協議を継続することで一致したものの、具体的な解決策は定まらないままです。
一方、三菱重工業の資産の売却命令について、複数の韓国メディアは審理を担当する最高裁の裁判官が9月4日に退任することを根拠に、8月中にも確定の判断が示されると報じていました。
これについて韓国外務省の関係者は24日、「裁判官が担当する事件をすべて処理してから退く義務はなく、9月4日が判断の期限だと判断する必要はなさそうだ」と否定的な見解を示しました。
ある日本政府関係者は尹錫悦大統領が日本について「力を合わせて進むべき隣国」と位置づけた演説や元徴用工問題を日本との「主権の衝突」なく解決する意思を強調した会見を、高く評価。
「審理が長期化する可能性もある」としつつ、「時間は限られていて、関係改善のモメンタムが維持されているうちに解決を急ぐ必要がある」との考えを示しました。