イエメンで食料危機深刻…背景に露侵攻も
紛争が長期化し、「世界最悪の人道危機」と呼ばれる状況が起きている中東・イエメンでは、ロシアのウクライナ侵攻を背景に、深刻な食料危機がさらに悪化するおそれが出ています。
イエメン国内の勢力対立にサウジアラビアが軍事介入し、紛争が激化してから26日で7年となります。しかし、紛争終結の見通しは立っておらず、国連が「世界最悪の人道危機」と呼ぶ状況が続いています。
国連WFPイエメン事務所代表 リチャード・レーガン氏「年初から紛争は激しさを増し、爆撃もかなり多くなった」「人口3000万人のうち2000万人が、毎日食べることが困難。かなりショッキングな話です」
首都・サヌアにある保健センターには、栄養失調の検査と治療を待つ子どもたちと母親が大勢います。生まれたときから重度の栄養失調に苦しむ子どもも出ているということです。
長引く紛争の影響で、食料価格が高騰していることから、食料を手に入れることができない人が増加しています。WFP(=世界食糧計画)によりますと、国際的な基準で「最も深刻な飢餓状態」とされる人が今年末までに現在の5倍に増える見通しです。
さらに、ロシアのウクライナ侵攻による影響も懸念されています。食料のほとんどを輸入に頼っているイエメンですが、小麦の輸入の3割以上を占めるウクライナからの輸入が停滞しています。
WFPは、深刻な食料危機がさらに悪化するおそれがあると警告していて、国際社会に支援を求めています。