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ビットコイン史上最高値 初の1000万円突破 トランプ氏が言及 大統領選への影響も…?

2024年3月6日 7:40
ビットコイン史上最高値 初の1000万円突破 トランプ氏が言及 大統領選への影響も…?

代表的な暗号資産であるビットコインが、5日の取引で初めて6万9000ドルを超え、約2年4か月ぶりに史上最高値を更新した。日本円では1000万円の大台を初めて突破した。アメリカの大統領選挙が迫る中、トランプ前大統領もビットコインに言及するなど、選挙戦への影響も指摘されている。

■ビットコイン史上最高値更新 ETF承認で巨額資金流入

ビットコインは、5日の取引で一時6万9000ドルあまりまで上昇し、2021年11月以来、約2年4か月ぶりに史上最高値を更新した。6万9000ドルを突破するのは、これが初めてだ。日本円では、1000万円の大台を初めて超えた。

ビットコインをめぐっては、2024年1月にアメリカの証券取引委員会が、ビットコインを運用対象とするETF(=上場投資信託)を承認。これにより、これまでビットコインを直接保有することが難しかった機関投資家らも投資することが可能となり、巨額の資金流入が続いている。

市場関係者は、「ビットコインは2024年4月に新規の供給量が半分になる4年に1度の『半減期』を迎える。希少性が高まることで価格がさらに上昇する可能性もある」と指摘している。

一方で、AP通信は専門家の話として、「暗号資産は価値の変動が予測不可能なリスクの高い賭けだ」と伝えるなど、過熱感への警戒を呼びかける声も上がっている。

■市場の注目はアメリカ大統領選挙 トランプ氏もビットコインに言及

急騰するビットコインをめぐり、市場が「半減期」とともに注目しているのが、今年11月に行われるアメリカの大統領選挙だ。野党・共和党候補の「大本命」とされるトランプ前大統領は、かつてビットコインをはじめとする暗号資産に懐疑的だった。大統領在任時の2019年には、自身のSNSで次のようにコメントしている。

「ビットコインやその他の暗号資産は、お金ではない。その価値は、非常に不安定で私は好きではない」

さらに、ビットコインが急騰した2021年には、ビットコインは「アメリカドルに対する詐欺だ」などと強く批判したことを現地メディアが伝えている。

しかし、大統領選が迫る中、ここにきてトランプ氏の暗号資産に対する発言に変化がみられる。現地メディアによると、トランプ氏は2024年2月、ビットコインについて、「何らかの規制が必要」との前置きをしつつも、「多くの人がビットコインを受け入れている。ビットコインでの支払いを希望する人も増えている。いずれにせよ私はそれ(ビットコイン)を受け入れることができる」と発言した。

■急騰するビットコイン 大統領選に影響も…?

暗号資産に対するトランプ氏の姿勢が変化した背景には、ビットコインをはじめとする暗号資産が、アメリカの有権者の間で普及しつつあることが考えられる。

コインベースのレポートによると、大票田であるテキサス州では、有権者の21%が暗号資産を所有していて、そのうちの約4割が、18歳から34歳の若者層だという。また、暗号資産の所有者のうち、4人に3人以上が「アメリカが世界の金融システムのリーダーであり続けるために暗号資産を支援する候補者を支持する可能性が高い」と回答しているという。

ロイター通信は、3月5日の「スーパーチューズデー」を前に、暗号資産が政治に与える影響を分析した記事を掲載。急成長する暗号資産業界が、大統領選挙に向けた予備選に多額の資金を投入していて、「暗号資産に友好的な候補者を後押しし、規制強化を推進する候補者を打ち負かそうとしている」と指摘した。

また、アメリカの証券取引委員会の元幹部は、「暗号資産が2024年の大統領選挙のカギを握っている」とコメントするなど、ビットコインをはじめとする暗号資産は、価格の急騰とともに政界への影響力を増しつつあるとの見方も出ている。