ロシア軍、東部への新たな攻撃準備整えたか
ウクライナ国防省は11日、ロシア軍がウクライナ東部へ新たな攻撃を行う準備を整えたとの見方を示しました。ウクライナ側も迎え撃つ姿勢で戦闘の激化が懸念されます。
ロシア軍は首都キーウ周辺から撤退する一方、ウクライナ東部や南部への砲撃などを続けています。
ウクライナ国防省の報道官は11日、ロシアが軍を再編成し、東部への新たな攻撃の準備を整えたとの見方を明らかにしました。キーウ周辺の戦闘で苦しんだとされる物資の補給についても強化しているとしています。
これに対し、ウクライナ側も迎え撃つ姿勢を示していて、停戦協議を行う交渉団の代表は、「戦場で優位に立てば協議で我々の立場が強化される」と述べ、東部での戦況が重要になるとの見方を示しました。
こうした中、南東部マリウポリの地元治安当局は11日、ロシア軍がドローンを使って上空から毒物を投下したとSNS上で主張しました。兵士や民間人に呼吸困難などの症状が出ているとしていますが、毒物の種類を明らかにせず、具体的な根拠は示していません。
一方、ロシアのプーチン大統領は11日、モスクワを訪れたオーストリアのネーハマー首相と会談しました。
軍事侵攻後にプーチン大統領がEU(=ヨーロッパ連合)の首脳と対面で会談したのは初めてで、ネーハマー首相はプーチン大統領に「戦闘での死者が出なくなるまで制裁を続ける」と伝え、戦争を終わらせるよう求めたということです。
一方、ロシア大統領府は「発表することはない」とコメントしていて、実質的な進展はありませんでした。