北朝鮮が夕方にも“弾道ミサイル”発射 朝から10発以上 韓国では“空襲警報”も…
防衛省などによりますと、2日午後4時すぎに北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されました。北朝鮮は、朝から短距離弾道ミサイルなど、ミサイル10発以上を発射しています。
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2日午後4時すぎ、再び北朝鮮がミサイルを発射しました。
海上保安庁が防衛省の情報として伝えたところによりますと、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射され、すでに落下したとみられるということです。
ミサイルは、午前にも発射されていました。
韓国SBS(2日午前)
「北朝鮮が弾道ミサイルを発射しました」
ミサイル発射を強行した北朝鮮。韓国のテレビの速報画面には、空襲警報が映し出されました。
「地下避難施設に退避し放送を聞いてください」
韓国の一部で空襲警報が発令され、地下施設に避難して放送を聞くよう呼びかけられるなど、異例の事態となりました。
空襲警報が出された鬱陵島の里長
「地下施設に避難するようにと言われて、一瞬どこに行けばいいのかと思いました」
韓国軍によりますと、ミサイルが発射されたのは北朝鮮東部の元山付近です。午前9時前、日本海にむけ、短距離弾道ミサイル3発を発射しました。
また、午前7時前にも短距離弾道ミサイルを発射するなど、2日の午前だけで、およそ17発のミサイルを発射。このうち1発は、鬱陵島の手前で公海上に落下、弾道ミサイルの一部が初めて韓国の領海近くに落下しました。
韓国軍の会見
「今回の発射は、分断後初めて海上の軍事境界線を越え、わが領海の接近に落ちたもので、非常に異例であり、決して容認できない」
尹錫悦大統領は緊急の安全保障会議を開催し、梨泰院の事故による「国家哀悼期間の中で行われた挑発で、人道主義に反する」と非難しました。
北朝鮮のミサイル発射は今年だけで29回目という異例の頻度です。
今回の発射を受け、韓国軍は空軍戦力による精密空対地ミサイル射撃を実施しました。
アメリカと韓国は4日まで、大規模な合同軍事演習を行っていますが、金正恩総書記の側近は1日付の談話で、「米韓は恐るべき事態に直面し、史上最も恐ろしい代償を払うことになる」と、この演習を批判していました。
7回目となる核実験を行う可能性も指摘される北朝鮮。このまま核実験を強行するのでしょうか。
記者
「北朝鮮が核実験を行う場合、狙いとしては主に2つあり、1つは核兵器の技術の高度化、もう1つは政治的な効果です。メッセージを伝えたい相手はアメリカです。北朝鮮としては今後、有利に交渉を行う“テコ”として核実験に踏み切る可能性は考えられ、特に今月8日のアメリカの中間選挙の前後は、警戒が必要です」
沖縄県の嘉手納基地では、アメリカ空軍の電子偵察機が離陸し、北朝鮮の方角に向かうなど警戒が続いています。