ペロシ氏と蔡総統との会談始まる 中国は矢継ぎ早に“対抗措置”
台湾を訪問中のアメリカのペロシ下院議長は、蔡英文総統と会談がはじまりました。一方、中国は台湾周辺で中国軍機の活動を活発化させているほか、当局が台湾との貿易への規制を相次いで発表するなど圧力を強めています。会談前の状況について中国南部・福建省から中継です。
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台湾に最も近い、中国南部に位置する福建省のアモイ市です。ここからわずか5キロほどの沖合には、台湾が実効支配する島、金門島が見えます。このアモイでは2日、ペロシ氏の台湾訪問を前に、中国軍の装甲車がこの近くの海岸にも続々と集まるなど、一時、異様な雰囲気となりました。
2日夜、台湾に到着したペロシ議長は、蔡英文総統との会談に先だって行われた台湾議会の副院長との会談で、次のように強調しました。
ペロシ下院議長「訪問の目的は3つ。その1つは安全保障です」
一方の中国は、矢継ぎ早に対抗措置を打ち出しています。
中国当局は3日朝、台湾のかんきつ類や魚介類の一部について、中国への輸入を停止すると発表しました。コロナ対策などを理由にあげていますが、報復措置の一環です。また、中国に駐在するアメリカ大使を深夜に呼び出し抗議しました。
さらに中国国営テレビは2日夜、中国軍が一斉に活動を始めたとする映像を配信しました。
台湾の国防部は、台湾が設定する防空識別圏に2日だけで中国軍の戦闘機などがのべ21機、進入したと発表しました。
中国軍は3日から7日まで、実弾を使った「重要軍事演習」を行うとも発表しています。演習区域は台湾を取り囲むように6か所設定され、期間中は船舶や航空機の通行を禁じるとしています。
台湾の対岸・アモイでも、市民からは「犠牲者は出てほしくないが、中国も強い態度を示さなければならない」との声も聞かれました。
海峡を挟んでの緊張がどこまでエスカレートするのか、先が見えない状況です。