“常任理事国の拒否権行使は総会で説明求める”決議採択
国連総会は26日、安全保障理事会の常任理事国が拒否権を行使した場合、総会で説明を求める決議を採択しました。ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、安保理の機能不全が浮き彫りになる中、拒否権の乱用を抑止する狙いがあります。
決議では、安保理の常任理事国が拒否権を行使した場合、10日以内に国連総会を開くことを義務づけるほか、拒否権行使の状況について報告書を提出するよう安保理に求めています。
拒否権を行使した常任理事国は、総会の場で優先的に発言が認められますが、総会への出席や理由の説明は義務づけられていません。
今回の決議は、常任理事国のアメリカをはじめ、日本などが共同提案国として名を連ね、26日に開かれた国連総会で無投票による合意で採択されました。
ロシアによるウクライナ侵攻をめぐっては、当事者のロシアが自国を非難する決議案に拒否権を行使し廃案にするなど、安保理の機能不全が露呈しています。
今回の決議は、拒否権そのものを制限するものではありませんが、拒否権行使に重みを持たせ、乱用を抑止する狙いがあります。
■写真:ロシアによるウクライナ侵攻を非難する決議案の採決で拒否権を行使するロシアのネベンジャ国連大使(2022年2月25日 米・ニューヨークの国連本部で開かれた安保理会合)