学習者は百万人超!中国の最新・日本語教育
日本語を学んでいる人は、世界で約380万人。そのうち最多の100万人を占める中国で、最新の取り組みを取材した。
◆日本語を学ぶ中国人は世界最多の100万人超
今月12日、北京の日本大使館で、ある授賞式が行われた。中国人の学生を対象とした日本語作文コンクール(応募総数4359本 日本僑報社主催)だ。
最優秀賞に選ばれた上海の大学院生は、“翻訳家の卵として、東京オリンピックで翻訳に携わるボランティアをしたい”との思いを作文にした。
最優秀賞・潘呈さん「訪日する人々に対し、正確な翻訳を提供することが、オリンピック精神にもかなうでしょうし、実り豊かな国際交流にも役立ちます」
こうした日本語を学ぶ中国人は、日中関係の悪化を背景に2015年度、初めて減少したが、昨年度の調査で再び増加。100万人を超え、世界最多となっている。
日本僑報社・段躍中さん「ひとつの大きな流れは、日中関係が良くなっていること。特に指導部(政治)の交流が頻繁になり、国民の交流も頻繁になって、若者たちが日本語を学ぶ意欲も高まっていると思います」
◆日本語教育で“中国初”の取り組み
その日本語教育で、“中国初”の取り組みが行われている。訪れたのは、北京の私立学校「海淀外国語実験学校」。幼稚園児から高校生まで約5000人が学び、なんと独自の動物園まで備えている。
サルやアルパカなどが元気に動き回る中、この学校で行われていたのは、幼稚園児への日本語教育だ。
実はこの学校、ニーズの高まりを受けて5年前、新たに日本語コースを開設し、現在、約200人が在籍。幼稚園児や小学生に専門的に日本語を教えるのは、中国で初めてだという。
◆“日本式”の教育方法も取り入れ
さらに、ある特徴が。
日直「立ちましょう」「気をつけ」「こんにちは」「座りましょう」
日本の小学校のように、日直が声をかけている。中国ではあまりなじみがない「班活動」や「道徳」など“日本式”の教育方法も取り入れているという。
日本語チーム主任・匡思如さん「やはり日本語を勉強するだけではなく、日本人の物事に関する感謝の気持ち、他人の立場に立って物事を考えるということを、生徒たちにも勉強してもらいたい」
小学3年生「(Q:しゃべれる日本語を教えてください)ありがとうございます」
小さな子供を対象にした、日本語教育の取り組み。今後、さらなる広がりを見せるのだろうか。