ミャンマー “徴兵制”発表で若者らに動揺「絶対に応じない」「『自殺した方がましだ』と…」
軍と抵抗勢力の戦闘が続くミャンマーで、軍が徴兵制を実施すると発表したことを受け、若者らの間に動揺が広がっています。NNNの取材に対し、追い詰められる若者らが心境を語りました。
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ミャンマー軍は今月10日、18歳以上の男女を対象に最低2年の兵役を義務づける徴兵制を実施すると発表しました。拒否すれば禁錮刑などの罰則があります。
徴兵制実施の背景には、抵抗勢力の攻勢で投降や脱走する兵士が急増していることがあるとみられています。
30代のミャンマー人男性は取材に対し、「徴兵には絶対に応じない」と断言しました。
妻と娘がいる30代男性
「私たちと抵抗勢力が考えていることは全く同じです。だから自分たちが仲間だと思う相手と戦いたくありません。もし本当に私たちを投獄するつもりなら、刑務所にいる方がましです。軍に仕えたくはありません」
男性は、幼い娘がいることも徴兵を拒む理由の一つだといいます。
妻と娘がいる30代男性
「誰も無駄死にをしたくありません」
20代の女性は、真剣に自殺まで考えるようになったと明かしました。
20代女性
「(徴兵)制度が発表されてから地獄に追いかけられるような気がします。いつ自分の番が回ってくるのだろうという思いと不安を抱きながら職場に行かなければいけません。本当に軍隊に入らなければいけないなら、『自殺した方がましだ』といつも友人と話しています」
若者の間に動揺が広がる中、最大都市ヤンゴンにあるタイ大使館の前には、早朝から徴兵を逃れるために出国を希望する人たちがビザを求めて連日、長い列をつくっています。
地元メディアによりますと、第2の都市マンダレーで19日、パスポート事務所に市民が殺到し、押し合いの中で女性2人が窒息死しました。
地元メディアによりますと、軍はことし4月から毎月およそ5000人を徴兵する計画で、今後、若者らの国外脱出の動きが加速するとみられます。