2か月遅れ…モスクワ日本人学校で入学式
ロシアのモスクワにある日本人学校で26日、2か月以上遅れて入学式が行われました。異国の地で新型コロナウイルスに立ち向かう家族や先生を取材しました。
ロシア・モスクワの日本人学校で26日に行われた入学式。新型ウイルスの影響で2か月以上遅れ、会場に入れたのは新入生と保護者だけでした。
新1年生の大竹いず美ちゃん。楽しみにしていたあるものが、入学式に間に合わなかったといいます。
大竹いず美ちゃん「本当はランドセルで行きたかったけど、日本に帰れなくてリュックで(行く)」「ランドセルは日本のおばあちゃんのところにある」
ひいおばあちゃんが去年の夏に注文してくれたランドセル。今年の春休みに一時帰国して持って帰ってくる予定でしたが…。
母・智美さん「(新型ウイルスで)あれよあれよという間に春休みも帰れないとなって」「1年生になるからランドセル、とあえて言わないようにして」「ことあるたびにおばあちゃんの方が気になるらしくて、ランドセル送ろうかとか言ってくれたりしたんですけど」
結局、ランドセルはなしの1年生に。予定外だったことは、ほかにも。6年生の兄・航玄くんは、新1年生の妹の手を引いて入場する予定だったのです。
兄・航玄くん「妹と一緒に小学校に行けるのが今年で最初で最後なので、ちょっと寂しいかな」
子どもたちの門出にも暗い影を落としていた新型ウイルス。ロシアの感染者数は世界第3位の62万人。しかし、5期目への続投に道筋をつけたいプーチン大統領は経済を優先。新たな感染者が1日7000人前後と収束がみえない中、経済活動を全面的に再開しています。
日本人学校も新型ウイルスに翻弄されてきました。今月8日には、可能な限り感染対策をした上で登校を再開。校内には何か所も消毒液を設置し、広いホールも使って授業。机の距離は2メートルを保っています。
モスクワ日本人学校・石川賢校長「子どもたちにも私どもにも新しい生活様式というように、学校教育もやはりここで変わらなければならない部分はあるだろう」
先生や保護者たちも悩んだ末、リスクも覚悟の上での「新たな日常」を始めていました。
そして、ようやく迎えた入学式。感染防止対策から、校歌斉唱はビデオでの紹介となるなど、時間や中身は短縮されました。
母・智美さん「ちょっと緊張してたけど、一生懸命、1年生らしくなったなあと」「今日を節目として、また新しい生活がスタートするのかな」
日本から遠く離れた地でも、力を合わせて、この苦しい時を乗り越えようという取り組みが続いています。