ベネチア 高潮の洪水を防ぐ防潮堤を公開
イタリアのベネチアで10日、高潮による洪水を防ぐための防潮堤が来年の本格稼働を前に、メディアに公開されました。
「モーゼ」と名付けられたこの防潮堤は、ベネチアで長年問題となっている高潮による浸水を防ぐために、およそ7200億円をかけ建設されました。
10日に行われた試運転では、黄色く塗られた78のブロックが連なり稼働する様子が公開されました。
ロイター通信によりますと、この防潮堤は、通常は海底に格納されていますが、潮位が高くなる際に浮き上がって堤防のようになることで、海水の浸入を防ぐ仕組みとなっています。最大で、3メートルの高さまで対応できるということです。
公開にはコンテ首相も立ち会い、「1.6キロメートルにわたるこの防潮堤建設は、完成が待ち望まれていた巨大プロジェクトだ」と述べ、17年にわたった国家事業の意義を強調しました。
ベネチアでは近年、高潮による洪水が頻繁に発生し、観光業などに深刻な影響を及ぼしています。