郵便投票に反対…米大統領選“延期”背景は
アメリカ大統領選挙の「延期」を提案したトランプ大統領は、会見で、新型コロナウイルスで導入が進められている郵便投票では「結果が出るまで数か月かかる」などと訴え、改めて強く反対しました。矢岡亮一郎ワシントン支局長が解説。
トランプ大統領は、郵便投票は自身に不利に働くと考えています。今回「延期」を持ち出したのも、郵便投票を何とか避けるための「トランプ流の脅し」だった可能性もあります。
トランプ大統領「投票日の数週間後、1か月後に結果が出ることは望んでいない。率直に言えば、訴訟によって数年かかることもあり得る」
トランプ大統領は、郵便投票によって、結果が出るまで「数週間、数か月かかる」と指摘しました。さらに「訴訟によって、数年かかることもあり得る」とも述べて、結果をめぐって裁判を起こす可能性まで示唆しました。
今回、トランプ大統領がツイッターで提案した「大統領選挙の延期」は議会の上下両院での法改正が必要で、実現の可能性はほぼありません。
それでもトランプ大統領が無理筋の「延期」まで持ち出して郵便投票の阻止に動いた背景には、劣勢に立たされていることへの強い焦りがありそうです。
また会見では、「郵便投票が史上最大の不正をもたらす」と何度も訴えていて、選挙後、「トランプ大統領が結果を受け入れない」などの混乱の可能性も現実味を帯びてきたといえそうです。