タイの憲法裁判所は19日、首相候補の前進党・ピター党首の議員資格を一時停止する決定を出しました。ピター党首は、2回目の首相指名投票への立候補も認められず、新首相選出の先行きは不透明な状況です。

9年前のクーデター以降、軍に近い政権が続いてきたタイでは、軍の影響力排除などを掲げて5月の総選挙で勝利した前進党のピター党首が首相就任を目指していました。

しかし、急進的な政策に対し、保守派が反発していて、地元メディアによりますと、現政権に近い憲法裁判所は19日、選挙違反の疑惑をめぐり、ピター党首の議員資格を判決まで一時停止する決定を出しました。

ピター党首は13日の首相指名投票では過半数を獲得できず、タイの国会は19日、2回目の首相指名投票を実施する予定でしたが、ピター党首の再度の立候補は認められませんでした。

今後は、総選挙で第2党となったタクシン派のタイ貢献党が新政権発足の主導権を握るとみられますが、前進党が連立政権に残る場合、保守派は引き続き反発するとみられ、タイの新首相選出の行方は不透明な状況です。