政権交代は…親軍政権続くタイ きょう総選挙
軍事クーデター後、親軍政権が続くタイでは14日、総選挙が実施されます。クーデターで失脚したタクシン元首相派の最大野党が優勢な中、政権交代が焦点となっている今回の選挙戦について、現地から平山晃一記者の報告です。
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終盤の世論調査で4割近い支持を集めて優勢なのが、最大野党「タイ貢献党」です。軍のクーデターで失脚したタクシン元首相の二女で、長男を出産したばかりのペートンタン氏を首相候補とし、政権交代をかけた選挙戦に挑んでいます。
ペートンタン氏「国のリーダーは(軍人からではなく)民主的に選ばれるべきだ」
支持者「国は軍のルールで縛られるのではなく、新しいものを取り入れ、前進していくべきだ」
2014年の軍事クーデターを主導したプラユット首相ら親軍派は劣勢ですが、首相選出には、軍政下で任命された上院議員も投票することから、親軍派が有利な仕組みです。そのため、民主派の貢献党が親軍政党と連立を組むという見方もあります。
これに対し、親軍派への対決姿勢を鮮明にする野党第2党の前進党が急速に支持を広げています。
今後もタイの政治に軍の影響力が残るのかどうか、貢献党は終盤での失速も指摘されていて、選挙結果を受けた各党の連立の動きも注目されます。