菅首相“外交デビュー”国連総会の裏側
国連総会でビデオ演説を行った菅首相。外交デビューの裏側には新型コロナウイルスの中、日本を支える外交官の姿がありました。
日本時間26日、国連総会でビデオ演説をした菅首相。その4日前、ニューヨークでは。ビデオ演説を入念にチェックする外交官の姿が。実はこの日は国連にビデオを提出する期限。締め切りが首相就任直後で、時間に追われていました。
国連日本代表部・杉原真帆二等書記官「大事に大事に。ちゃんと国連側にも届いていることを確認できた」
例年、各国の首脳が一堂に集まる国連総会。通常、首脳は母国語で演説し、国連が準備したスタッフがその場で同時通訳します。しかし、日本政府は今回、自分たちの手で英語の訳を作成することにこだわりました。
杉原二等書記官「同時通訳でその場でなんとなく訳されるよりも確実」
これがきちんと流れるよう、国連側に念押しします。
杉原二等書記官「一般討論演説の当日に日本政府が用意した通訳音声が使われるか確認したいです。総理が来ていれば『走れー!』みたいな感じになるんですが、いまはバーチャルリアリティーみたいな感じで」
菅首相の外交デビューの舞台裏でこのように準備にあたるのが、ニューヨークに常駐する日本代表部の外交官です。しかし今は他国との交渉や打ち合わせも、ビデオ会議が主流になっています。
石兼公博国連大使「接点をなるべく多く見つけて顔を売るというのが非常に重要になってくる」
関係構築のため時には画面を並べて2つの会議を「掛け持ち」することも。それでも、対面での交渉が必要な時には…
大菅岳史次席大使「ゲストにはこちらをつけていただくようお願いしています」
しっかりと対策をした上で昼食会に招待。こうした陰の努力で「菅外交」を支えます。
そして迎えた本番。
菅首相「今回の危機も協力を深める契機としたく、皆さまに連帯を呼びかけたい」
無事に外交デビューを飾りました。
石兼国連大使「なかなか日本の総理・閣僚が外遊できない状況の中で、この国連で拾った声を東京にお伝えして政策形成にぜひ役立てていただきたい」