大接戦の米大統領選 今後の展開を整理
※日本時間4日18時45分時点の情報に基づいています。
トランプ大統領、バイデン候補ともに自らが勝つと自信を見せている状況。異例の大接戦となっており、結果が出るまでに時間がかかるシナリオが現実味を帯びてきました。これからどうなるのか、解説します。
■焦点はペンシルベニア州の郵便投票
今後は当初から激戦になるとみられていた中西部ラストベルトの3州であるペンシルベニア州・ミシガン州・ウィスコンシン州をどちらが取るかが最終結果を決めることになります。中でも、両候補とも最後まで最も力を入れていたペンシルベニア州では、郵便投票の開票や扱いをめぐって今後訴訟に発展する可能性が出てきています。
ペンシルベニア州では、郵便投票の開票は、投票日までできない決まりになっています。郵便投票の開票というのは、投票用紙のサインと事前に登録したサインとが合致しているかを照合しなければならないため、全ての票を集計するにはかなり時間がかかります。
さらに、ペンシルベニア州の場合、投票日までの消印が押されていれば、今月6日までに到着した票は有効としています。
フロリダ大学の集計によると、ペンシルベニア州では、登録済み有権者のおよそ3割にあたる250万票が郵便投票で投じられていて、そのうちバイデン支持者は164万票、トランプ支持者が58万票と推定されています。
そのため、現在はトランプ氏がややリードしていても、今後郵便投票の開票が進んでくると、バイデン氏が盛り返してくる可能性があります。
■トランプ大統領「集計をストップさせる」
そんな中で、トランプ大統領はペンシルベニア州でも勝ったと主張しています。票差がかなり僅差になることが予想されるので、早々に牽制したものとみられます。
トランプ大統領は「(郵便投票には)不正がある。最高裁判所に持ち込み、全ての票の集計をストップさせる」と述べました。
郵便投票の集計を止めるために裁判を起こすということですが、これも訴訟に向けた布石を打ったとみられます。
通常、選挙のルールなどは州政府の管轄なので、最高裁では直接扱うことはありません。しかし、今回はペンシルベニア州の票の行方次第で、アメリカという国のトップがどちらになるかという国政に関わる重大事案なので、地裁レベルではなく連邦最高裁で争うべきだと今後主張する可能性があり、長期化が十分予想されます。
■今後のスケジュール
今後のスケジュールは、まず12月14日に各州で「選挙人による投票」が行われ、過半数を得た候補が来年1月20日に大統領に就任する予定です。そのため、選挙人の投票日までに勝者が決まっていないと大混乱になるわけです。
決着が長引けば長引くほどアメリカ政治は混乱し、内政や外交にも大きな影響が出ることは避けられません。
(2020年11月4日18時すぎ放送「news every.」より)