「国の存亡かかった戦い…団結は非常に強い」佐藤和孝氏がウクライナから中継
ロシアによるウクライナ侵攻から24日で1年となりました。激しい攻防が続く最前線近く、東部ドネツク州のクラマトルシクにいるジャーナリストの佐藤和孝さんに最新情報を聞きます。
──佐藤さん、いまいる場所はどんなところですか。
私がいまいるのは鉄道の「クラマトルシク駅」です。この駅は、去年4月8日、数千人が避難していたところにミサイル2発が着弾、少なくとも52人が死亡した場所です。建てられた慰霊碑には「ロシアの侵略の犠牲者を永遠に忘れないために」と書かれています。また、犠牲者の中には子供もいたことから、周辺にはぬいぐるみなども供えられています。
──丸1年がたっても激しい戦闘が続いていますが、いまのウクライナ国内の様子はどうでしょうか。
ここクラマトルシクについていえば、きょうも何回も空襲警報が出ました。現在は解除されています。ただ、きょう午後に1度、さく裂音がクラマトルシクの中でありました。多くの人が避難していることから人影は少なくなっていますが、その代わり多くの軍人の姿を見かけるという状況です。
つまり、ここから30キロほど離れたバフムトでは激しい戦闘が行われていて、そのバフムトをとられれば、当然、つぎはこのドネツク州の州都クラマトルシクに向かってくるわけです。ここが重要な場所であることは間違いありません。ここをプーチンは、3月までに完全に占領しろというふうにオーダー(命令)を出しています。
ウクライナでの取材は3回目ですが、インフラ攻撃などもあって生活は不便になってきています。しかし市民は、自分たちの領土を守るために一致団結をしている、その意志は非常に強く感じます。つまり、この戦争に負ければ自分たちの歴史、文化が、消滅してしまうわけです。この国家、ウクライナの国の存亡がかかった戦いです。そうしたことから、国民の団結は非常に強いです。
──市民が生活面で最も困っていることは何だと感じていますか。
物資面での不便はもちろんありますが、ウクライナ国内は、いつどこからミサイルが飛んでくるか分からない状態です。そうしたことから、防空網をしっかり確立してほしい、そうすればある程度安全を確保できるのではないかというふうに市民たちは思っています。防空網の確立がいま大事なことだろうと感じています。
──ありがとうございました。