北ミサイル「2017年の緊張」再び?……4年ぶり「中距離弾道」ナゼ 日本政府警戒「フェーズ変わった」
北朝鮮が30日、4年ぶりに中距離弾道ミサイル「火星12」を発射しました。心配されるのは、弾道ミサイル発射が相次ぎ、核実験も行われた2017年の緊張の再来です。日本政府も、北朝鮮の方針転換を警戒しています。背景には何があるのでしょうか?
■2017年は…弾道ミサイル17発
有働由美子キャスター
「今年に入って、もう何回目というほど発射されている北朝鮮のミサイル。30日に発射したのは中距離弾道ミサイルで、日本も全て射程に入るといいます」
小野高弘・日本テレビ解説委員
「このミサイルの射程は、日本を超えグアムまで届くといいます。それで今、心配されているのが『2017年の緊張が再び来るのでは?』ということです」
「2017年は中距離弾道ミサイルや大陸間弾道ミサイルを年間、合わせて17発も発射。日本の上空を通過するものも2発飛ばしました。核実験も行いました」
有働キャスター
「ミサイルが日本に落下したり、通過したりする可能性があるということで、Jアラートの警報が鳴って、ドキドキしたのを思い出します」
小野委員
「この先どうなるのかと思いました。それが翌年、米朝首脳会談を行ったのを機に、中長距離の弾道ミサイル発射をストップしてきました」
■「実戦配備」「新型開発」も脅威
小野委員
「ところが今回、30日に4年ぶりに中距離弾道ミサイルを発射。2017年と同じ『火星12』というミサイルでした。これで日本政府も、『北朝鮮が方針を変えてきているぞ』と受け止めています」
「ある政府関係者は『長いのが飛んだ、ということでフェーズが変わってきている。切迫感が強くなっている』。別の政府関係者は『北朝鮮が自粛していたのが、もはや変わりつつある』と話しています」
「さらに脅威なのは、今や北朝鮮は弾道ミサイルの実戦配備を始めているとも表明していますし、『極超音速ミサイル』のような新型ミサイルも併せて開発しています。このように軍事力を強化して、北朝鮮は何を狙っているのでしょうか?」
北朝鮮政治が専門の、慶応義塾大学の礒崎敦仁教授は「既に北朝鮮は4年間、核実験やICBM(大陸間弾道ミサイル)の実験を止めているにもかかわらず、アメリカから経済制裁の一部緩和すら得られていないという不満がある」とみています。
「ならば性能の良い兵器を量産し、実戦配備することで、今アメリカが振り向かなくても後の交渉カードにできると考えているのではないか」と分析しています。
有働キャスター
「日本の上を飛び越えられるということは、一歩間違うと日本に落ちるかもしれない。そんなミサイルが何度も発射されるかもしれないと考えると、とても人ごととは思えません」
(1月31日『news zero』より)