ベネチアで観光客用のベッドの数が地元住民の人口上回る
観光客が集中して地元住民の住環境など様々な問題が起きる「オーバーツーリズム」をめぐり、イタリア北部のベネチアの市民団体は、9日、ベネチア市で観光客用のベッドの数が、地元住民の人口を上回ったと発表しました。
世界遺産のベネチアでは、観光客が集中して訪れることで、地元住民の住環境など様々な問題が起きる「オーバーツーリズム」が深刻化していて、UNESCO=国連教育科学文化機関が、ベネチアを「危機遺産」リストに加えるよう勧告する事態となっています。
こうした中、9日、ベネチアの市民団体は、市の中心部で観光客用のベッドの数が、地元住民の人口を上回ったと発表しました。
地元住民の人口およそ4万9300人を上回り、観光客用のベッド数は、およそ4万9700台となったということです。
増え続ける観光客とは対照的に、地元住民の人口は減り続けていることなどから、市民団体側は、「地元住民のいない街は、野外博物館やテーマパークと同じだ」として、危機感を強めています。
ベネチア市は、来年から日帰りの観光客を対象に入場料を徴収する計画を発表するなど、「オーバーツーリズム」への対策を進めています。