トランプ氏“罷免”求める決議可決 米下院
アメリカの連邦議会議事堂が占拠された事件を受けて、トランプ大統領の罷免を求める弾劾訴追決議案が、議会下院で可決されました。
弾劾訴追決議案は日本時間14日朝に可決しました。トランプ大統領にとって身内のはずの共和党議員からも10人が賛成に回りました。
民主党・ペロシ下院議長「賛成232、反対197で、弾劾訴追決議案を可決します」
弾劾訴追の決議では、トランプ大統領が議事堂占拠事件の直前、支持者をあおる演説を繰り返していたことを受け、「暴力を扇動した」として、大統領の罷免を求めています。民主党のペロシ下院議長は、「『死に物狂いで戦え』と叫んだトランプ大統領は、テロリストを送りつけた」などと激しい言葉で非難しました。
民主党・ペロシ下院議長「彼を辞めさせなければならない。私たちの愛する国家にとって、明らかに危険な存在だ」
さらに、共和党の下院トップからも批判が出ています。
共和党・マッカーシー院内総務「暴徒による議事堂襲撃の責任は、トランプ大統領にある」
トランプ大統領が弾劾訴追を受けるのは2019年のウクライナ疑惑に続いて2回目で、大統領として2度も弾劾裁判の対象となるのは、史上初めてです。
このあと、議会上院で弾劾裁判にかけられることになりますが、トランプ大統領の任期中の開会は難しい状況です。民主党幹部はトランプ大統領の退任後であっても追及する方針で、バイデン政権の新型コロナ対策や閣僚の承認を優先しつつ、就任100日後以降に弾劾裁判を始めたい考えです。
こうした中、トランプ大統領は、「いかなる暴力、違法行為、破壊行為もあってはならない」と、国民に自制を求める声明を出しました。