ナワリヌイ氏、執行猶予取り消しへ 実刑に
ロシアの野党指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏が過去に受けた執行猶予付きの有罪判決をめぐり、モスクワの裁判所は2日、執行猶予を取り消す判断を下しました。
この裁判は、ナワリヌイ氏が執行猶予中の出頭義務を怠ったとして、刑務当局が執行猶予の取り消しを求めていたものです。
裁判にはナワリヌイ氏も出廷し、「リハビリでドイツに滞在していた間も、必要な手続きをしていた」と当局の訴えに反論していました。
しかし、裁判所はナワリヌイ氏がドイツでの滞在先を報告していなかったなどとして当局側の主張を認め、執行猶予を取り消して実刑に切り替える判断を下しました。ナワリヌイ氏は控訴する方針です。
裁判所の周辺には、ナワリヌイ氏の支持者らが集まりましたが、人権団体によりますと、300人以上が治安当局に拘束されました。
この判決を受け、アメリカのブリンケン国務長官は、「実刑判決が下されたことを深く懸念している」「ナワリヌイ氏ら拘束された人々をただちに無条件で釈放するよう求める」との声明を出しました。
またブリンケン長官は、「ロシアは、法と表現の自由、平和的集会の権利を尊重する国際的な義務を負っている」としています。