ロシア兵がウクライナ住民に食事求め…「人を殺したくない」
プーチン大統領が一方的に、ウクライナのマリウポリ制圧を宣言しましたが、一方で、ロシア軍が撤退した村の住民は、ロシア兵が“だまされてウクライナに連れてこられた”など、不満を言っているのを聞いたといいます。
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ロシア軍が撤退したウクライナ・キーウ(キエフ)郊外のアンドリーウカ村では、数百人のロシア軍によって約1か月間、村は占拠されました。その間、ロシア兵が“ねぐら”にしていたのが、村人の自宅にある地下室です。
ロシア兵と話をしたグレゴリさん
「ここに2人が住んでいた。19歳と20歳」
避難をせず、村にとどまっていたグレゴリさんは、そのロシア兵から次のように聞いたと言います。
グレゴリさん
「2人はベラルーシで2か月訓練していた若い軍人だった。ある日の夜、車に乗せられウクライナに連れてこられ、『だまされた』と言っていた」
ロシア兵は、「だまされてウクライナに連れてこられた」と話したといいます。
グレゴリさん
「彼らはおなかがすいて、妻に『すいません。ご飯をください』と言ってきました」
村が攻め込まれる中でも、夫婦は2人を哀れに思い、食事を提供したと言います。
食事を提供したグレゴリさんの妻、ワーリャ・クリメンコさんは「(2人は)『戦争をしたくない、人を殺したくない、人を撃ちたくない』と言っていた」と話し、2人のロシア兵は、戦闘をためらっていたといいます。
ただ、村では多くのロシア兵が略奪を行いました。そして、住民7人が死亡し、40人が行方不明になるなど、ロシア軍による残虐行為によって、多くの民間人が犠牲になったとみられています。