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ハメネイ師“ウラン濃縮度引き上げ可能性”

2021年2月23日 9:11

イランの最高指導者・ハメネイ師は22日、核合意に違反して生産を続ける「高濃縮ウラン」について、濃縮度をさらに引き上げる可能性があると述べ、アメリカをけん制しました。

イランメディアによりますと、ハメネイ師は22日、核兵器への転用が容易になるとされる「高濃縮ウラン」について、「必要に応じて濃縮度を60%に引き上げる可能性がある」と述べました。イランは先月、核合意に違反して濃縮度を20%に引き上げたばかりです。核兵器の製造が可能になる濃縮度90%に近づくことになりますが、ハメネイ師は兵器に使用する意図はないとしています。

ハメネイ師の発言には、濃縮を進めることが可能だと示すことで、イランへの経済制裁解除をめぐり「核合意の順守が先だ」と譲らないアメリカをけん制する狙いがあるとみられます。

一方で、イランは21日にIAEA(=国際原子力機関)の査察に最低限の協力を約束するなど、妥協する姿勢も見せました。現在、ヨーロッパが仲介となり、アメリカとイランの交渉再開に向けた調整が水面下で進んでいて、イラン側は揺さぶりをかけることで交渉を有利に運ぶ糸口をつかみたい考えです。

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