イラン“核合意会合”「適切な時期でない」
イラン政府は先月28日、核合意の当事国にアメリカを交えた会合に現時点では参加しない考えを示しました。
核合意をめぐっては、アメリカのトランプ前政権が一方的に離脱、経済制裁を再開したのに対し、イラン側も高濃縮ウランを生産するなど、合意違反を繰り返しています。
こうした中、バイデン政権がイランとの協議に応じる姿勢を見せ、核合意の当事国にアメリカを加えた非公式会合にイランが参加するかが注目されていました。
しかし、イラン外務省の報道官は先月28日、「今は適切な時期ではない」と述べて、現時点では参加しない考えを示しました。「アメリカやヨーロッパ諸国の最近の行動を考慮した」としていて、経済制裁の解除に向けた具体的な動きがないことに反発したとみられます。
これに対し、アメリカ側は「失望した」とする一方、外交努力を続ける考えを示しました。ただ、核合意の順守を求めるアメリカと制裁解除が先だとするイランとの立場の隔たりは埋まっておらず、今後の行方は依然不透明です。