激戦地マリウポリ 赤十字、住民の避難支援“断念”「2日に再び試みる」
ロシア軍の包囲が続くウクライナ南東部のマリウポリでは、取り残された住民の避難が難航しています。赤十字国際委員会は1日、住民の避難支援を目指したものの、スタッフが市内に入れずに断念したと明らかにしました。
ウクライナ南東部・マリウポリには、ロイター通信によりますと、最大17万人の市民が取り残されています。
赤十字国際委員会は1日、バスや自家用車などでの住民の避難を支援するため、チームを向かわせていましたが、市内に入れず引き返したと発表しました。「2日に再び試みる」としています。
赤十字のチームは、マリウポリに運ぶ医薬品などの人道支援物資を準備していましたが、積み込むことは許されなかったということです。
ウクライナ側は、「ロシア側が住民避難に関する約束を履行していない」と非難しました。
こうした中、ロシア政府は1日ウクライナ軍のヘリがロシア領内のベルゴロドに侵入し、燃料貯蔵所を攻撃したと発表しました。ロシア側は、「停戦協議に水を差す行為だ」と非難しています。これに対し、ウクライナの国家安全保障会議の幹部は「我々の情報によれば、事実と合致しない」と攻撃を否定したということです。
一方、ウクライナの原発の運営会社は、チョルノービリ原発を占拠していたロシア軍が撤退したと明らかにしました。IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は、できる限り早く現地を訪れ、監視システムの復旧などを急ぐ方針です。