キューバ大使館「国産ワクチン」で講演会
東京にあるキューバ大使館が14日、新型コロナウイルスに対応したキューバの国産ワクチンの開発状況について講演会を行い、3つのワクチンが最終段階の臨床試験に進んでいると説明しました。
講演会はオンライン上で開かれ、日本のメディアや国会議員、専門家など100人あまりが参加しました。
■国産ワクチン3種が「第3相」
講演した駐日キューバ大使館のミゲル・アンヘル・ラミレス大使は、キューバで新型コロナウイルスに対応した国産ワクチンが現在5種類開発されていると説明し、うち3つのワクチンが最終段階の臨床試験に入っているとして、開発が順調に進んでいると強調しました。
このうち国内の研究所で開発中のワクチン「ソベラナ02」では臨床試験で90%の有効性が確認されたとしています。
■キューバ 高い医療水準
キューバは1959年の革命以降、医療制度の拡充に力を入れる政策が進められ、中南米諸国のなかで高い医療水準にあるとされています。また、予防医療に積極的に取り組みB型肝炎や肺がんワクチンを自国で開発するなど国産ワクチンの開発にも力を入れてきました。
新型ウイルスの感染が拡大する中、アメリカによる経済制裁で、人工呼吸器の輸入が制限されるなど、医療の面でも厳しい状況に置かれていますが、自力で感染拡大防止に努め、新型ウイルスによる犠牲者は比較的低い水準に抑えられています。
■国際社会と協力
キューバの新型ウイルスワクチンについてはアルゼンチンやメキシコなど中南米諸国のほか、インドやパキスタン、アフリカ連合が購入を希望しているとしています。ワクチン開発の臨床試験は外国とも協力して行うということです。
■年内には接種を完了
今後、6月にもワクチンの国内承認をめざし、8月には60歳以上の高齢者全員を含む700万人に接種を行い、年末までには国民全員、1100万人あまりに接種を終わらせたいとしてます。