急速な感染拡大に歯止めがかからないインドでは、医療体制は崩壊の危機に直面しています。インドで暮らす日本人は、不安な現状を訴えています。海外でのコロナをめぐる最新の動きです。

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■アメリカ　ワクチン接種した若者に１００ドルの債券支給する州も
（アメリカ　感染者３２６０万５０１９人　死者５８万６４人　米ジョンズ・ホプキンス大　７日午後５時時点）

３２６０万人以上が感染したアメリカ。ニューヨーク市は激減した観光客を呼び戻すため、新たな計画を検討しています。

ニューヨーク市　デブラシオ市長「安全で素晴らしい街へぜひ来てください。市内にいる間にワクチンを接種できるようにします」

ニューヨークの市長は、訪れた観光客にワクチンを接種して帰ってもらう案を州に対して提案したことを発表。市の計画はタイムズスクエアなど観光客が多く集まる場所に、ワクチンを接種できるバスを設置。１回の接種で済むジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンを提供するというものです。市長は、州の承認が得られれば今週末にも始めたいとしています。

若い世代に金銭的な支援を行って接種率を高めようとする州も…

ウェストバージニア州知事「ワクチンを接種した全ての若者一人一人に対し１００ドルの債券を支給する」

南部・ウェストバージニア州は、接種を受けた１６歳から３５歳の人を対象に１００ドル、日本円でおよそ１万９００円を受け取れる債券をプレゼントするということです。

■インド　「正直日本が恋しくなる」仕事のため現地に住む日本人の不安は
（インド　感染者２１４９万１５９８人　死者２３万４０８３人　インド保健当局７日）

２１５０万人近くが感染し、急速な感染拡大に歯止めがかからないインド。

患者の家族は「３日かけて病床を探したけど、見つからなかったどうすればいいの？病院が受け入れてくれると思ったけど、酸素もベッドもないと言われた。どうすればいいの？」

医療体制は崩壊の危機に直面しています。現地の日本大使館によると、現地に住む日本人もこれまでにおよそ１６０人が感染、亡くなる人も出ています。

こうした中、現在、仕事のためインド南部で暮らしている日本人女性は。

インドで暮らす向井小町さん（２４）「コロナの状況もより厳しくなっていく上で、生活していくというのは正直すごく不安ですね」

感染対策のため、近くのスーパーは朝６時から正午までしか営業していないといいます。

向井さん「今スーパーも人数制限されちゃって。スーパーに入るまでに並んだりとかするので、並んでいる間に感染しちゃったりしたらどうしようみたいな」

現地の状況は日に日に変化。

向井さん「だんだんと閉まっていくお店も増えてきていて」
４月中旬頃まではたくさんの人が外に出ていたといいます。

向井さん「あの時点でマスクつけてない人とかも普通にいましたし」

しかし今、同じ場所は、人の姿がなくなっていました。

ワクチンの接種にも壁が。ロイター通信によりますと、インドでは、１８歳から４４歳まではサイトでの予約が必要ですが、サイトのトラブルで予約できなかったり、地域によってはそもそもワクチンが不足したりしているということです。

向井さん「私の住んでいる地域ではワクチンが、４５歳以上を優先的にとなっているので、なかなか予約が取りたくても取れない、というのが現状です」

「正直日本が恋しくなるときがありますね。今後さらにインドのコロナが感染拡大していくんじゃないかという、食料品の確保だとかきちんと生活できるのかという不安はあります」

現地の日本大使館は、日本に帰国する際に必要なＰＣＲ検査が受けづらい状況にあるとして、関係機関に、早急に検査を受けられるよう求める文書を作成しています。

■北朝鮮　「感染者は１人も出ていない」と主張も、公演の観客はマスク着用

一方、感染者は１人も出ていないと主張している北朝鮮。

５日、金正恩総書記は、李雪主夫人とともに、軍の家族による芸術公演を観覧しました。金総書記夫妻と側近の幹部らを除くと、観客はマスクを着用しています。

一方、こちらは、先月１５日、金総書記の祖父・金日成主席の生誕を記念した公演。全員がマスクをしていません。これまで金総書記が出席する行事では、ほかの出席者もマスクを着用しないことがほとんどでした。

ただ、５日は観客全員がマスクを着用。いったい何があったのでしょうか。

６日付の朝鮮労働党の機関紙・労働新聞、新型ウイルスへの警戒を呼びかける記事に気になる一文が。

労働新聞　６日付「風によって変な物が飛んでいくのを目撃したときも、悪性ウイルスが流入しうる空間とみなすべき」

先月下旬、韓国の脱北者団体は北朝鮮に向けて金総書記を批判するビラなどを大型風船で散布したと発表しました。このことと関連しているのでしょうか。

観客のマスク着用について、韓国メディアは感染者の発生で従来の対策の指針を維持できない状況になった可能性を指摘しています。