韓国・文大統領 演説で日本に言及せず
韓国の文在寅大統領は就任4年にあわせ演説を行い、北朝鮮との対話の再開にあらためて意欲を示しました。
残る任期が1年を切る中、文大統領は最重要課題としてきた北朝鮮との対話に再び意欲を示しましたが、冒頭、日本との関係には言及していません。
文在寅大統領「対北朝鮮政策をより緊密に調整し南北、米朝の間の対話を復元し、平和協力の一歩を再び踏み出すための道を見つけます」
文大統領は、今月21日に予定しているバイデン大統領との首脳会談で、北朝鮮との対話の早期再開に向け、アメリカ側に働きかけたいとの考えを示しました。
北朝鮮の「呼応を期待する」としていますが、北朝鮮側は脱北者団体のビラ散布をめぐって韓国政府への反発を強めていて、見通しは厳しい状態です。
また、文大統領は冒頭の発言では、冷え込みが続く日本との関係にまったく言及しませんでした。
演説の多くは、新型コロナウイルス対応など内政の課題に割かれました。特に、ワクチン接種の遅れで批判が出ていることについては、「もう少し早かったならばと物足りなさがある」と述べつつ、国民の2倍のワクチンを確保し、計画どおり進めていると成果を強調しました。
最新の文大統領の支持率は36%とやや回復傾向で、残り任期1年の支持率としては歴代7人の大統領の中で、最も高い水準を維持しています。
ただ、政権を浮揚させる決定的な材料は乏しく、求心力が低下していく中で、厳しい政権運営を迫られることになります。