大リーグにワクチン接種者「専用席」 米
アメリカでは、ワクチン接種を後押しするための工夫が進んでいます。接種会場までの「ウーバー」などの乗車料金が無料になるほか、メジャーリーグでは接種した人専用の座席を設ける動きが出ています。海外でのコロナをめぐる最新の動きです。
■アメリカ
世界最多の3200万人以上が感染したアメリカ。(感染者 3277万9153人 死者 58万2848人 米ジョンズ・ホプキンス大 12日午後5時時点)ワクチンの接種を加速させています。
記者
「配車サービスのウーバーやリフトを使ってワクチンの接種ができる会場に行くと、その乗車料金が無料になるということです」
バイデン政権は11日、ワクチン接種会場に行く際の配車サービスの乗車料金を無料にすると発表しました。
アメリカ バイデン大統領
「交通手段という壁をなくすため、今月24日から7月4日まで、接種会場への往復料金が無料になります」
期間は今月24日から7月4日の独立記念日まで。バイデン大統領が、成人の7割が少なくとも1回のワクチン接種を受けることを目指す期限の日です。
街の人
「交通手段がない人には良いことだと思う」
街の人
「無料の配車サービスがあれば、ワクチンを受ける人が増えると思います」
これまでに18歳以上のおよそ6割が、少なくとも1回の接種を終えたアメリカ。
メジャーリーグでは、ワクチン接種を完了させた人の専用席を設ける動きが広がり始めています。
記者
「専用の席を利用するには、ワクチンを接種したことを証明するカードを入り口で見せる必要があります」
ロサンゼルス・ドジャースでは、11日の試合から本格的に接種者専用の座席の販売を開始。専用席はおよそ1000席。
記者
「他よりも多くのファンが集まっているように見えます」
マスクの着用は求められますが、座席間の距離は取りません。
ワクチン接種者の席を購入した人
「誰かの隣に座ることに慣れないとね。日常に戻る第一歩です」
ワクチン接種者の席を購入した人
「ワクチン接種を完了したから心配ありません」
また、専用席は通常よりも安い価格に設定。球団には、ワクチン接種を後押しすると共に、座席の販売数を増やす狙いがあります。
■フランス
580万人以上が感染したフランス。(感染者 586万1384人 死者 10万7096人 米ジョンズ・ホプキンス大 12日午後5時時点)
プロバンス地方の介護施設では5日、入居者らがマスクなしでゲームに興じていました。鶏小屋で卵をとるなど、すっかり日常が戻った様子。
介護施設の入居者
「私は病気ではないし、元気だ。86歳ですべてが順調だ」
ロイター通信によりますと、フランスの介護施設では、99%の入居者が少なくとも1回のワクチン接種を終了。厳しい規制が緩和されたということです。
介護施設の入居者
「安全になったと感じています」
■インド
2300万人以上が感染したインド。(感染者 2334万0938人 死者 25万4197人 インド保健当局 12日)
南部チェンナイの病院に11日、人々が詰めかけました。ロイター通信によりますと、人々が差し出しているのは新型コロナの治療薬、レムデシビルの処方箋。
感染者の息子
「母親のために薬をもらいに来たが、自分も感染した気がする。どうすればいいか分からない」
医療物資の不足が続いているインド。北部の病院では、連日、家族らが自ら患者を運んできます。患者の背中をさするのは親族。
インドの新規感染者が連日30万人を超える中、この病院では、対応できる医師は1人しかいないといいます。
患者の息子
「酸素は空で、母は痛みで震えている」
また、掃除も行き届いていないと訴える声も上がっています。
死者も急増。累計の死者は12日、25万人を超えました。ニューデリーでは、引き取る親族がいない死者の遺灰をボランティアが集めています。
ボランティア
「パンデミックの中、親族に捨てられた人々の遺灰です。95%が新型コロナの患者です」
遺灰はヒンズー教の伝統にのっとり、ガンジス川に運ばれるということです。
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世界では1億6000万人近くが感染。330万人以上が死亡しています。(感染者 1億5970万3471人 死者 331万8053人 米ジョンズ・ホプキンス大 12日午後5時時点)
ワクチンを少なくとも1回接種した人の割合は、イスラエルはおよそ63%、イギリスはおよそ52%となっています。